藤井製作所プレス加工一貫生産・樹脂成形・両技術の融合
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バーリング加工とは?加工原理・種類・不良対策まで徹底解説

バーリング加工とは、金属板に設けた下穴の縁をパンチで押し広げ、円筒状のフランジ(立ち上がり)を成形するプレス加工技術です。薄板でも十分なねじ山深さを確保できるため、自動車・産業機器・建材など幅広い製品で欠かせない技術となっています。

本記事では、千葉県柏市でプレス加工の一貫生産を手がける株式会社 藤井製作所が、バーリング加工の基礎知識から設計のポイント、不良対策まで現場の知見をもとにわかりやすく解説します。発注・設計の担当者様が加工方法の選定や仕様検討を進める際の参考としてご活用ください。

1. バーリング加工の基礎知識

加工の仕組み

バーリング加工は、大きく3つのステップで進みます。

  • まず金属板に、目的とするフランジ内径よりも小さい「下穴」をプレス抜きで開けます。
  • 次に、専用のパンチを下穴に押し込みます。この際、パンチの先端形状に沿って穴の縁が引き伸ばされながら外側へ押し広げられます。
  • 素材が塑性変形することで、穴縁に円筒状のフランジが立ち上がり、バーリング加工完了です。

板厚1枚分しかなかった穴縁が、フランジとして立体化することで、ねじ山を切るための有効長さが生まれます。これがバーリング加工の最大の特徴です。溶接やナットを追加せずに締結面を設けられるため、コスト削減・軽量化・工程短縮に貢献します。

バーリング加工の種類

バーリング加工には用途・形状に応じていくつかの種類があります。

種類 特徴 主な用途
張り出しバーリング 下穴をパンチで押し広げてフランジを立ち上げる最も一般的な加工 ねじ穴・配線穴・位置決め穴など幅広い用途
ねじ立てバーリング バーリングで立ち上げたフランジにタップを立ててねじ山を形成 薄板でもねじ締結が必要な箇所(電装ブラケット・産業機器カバー等)
縮みバーリング 穴縁を内側に絞り込む加工。張り出しの逆方向 パイプ接続部・特殊形状ジョイント等

バーリング加工 vs タップ穴 vs ナット締結の比較バーリング加工 vs タップ穴 vs ナット締結の比較

「薄板にねじ穴を設けたい」という場面で、バーリング加工はどのような位置づけになるのでしょうか。他の方法と比較すると以下のようになります。

比較項目 バーリング加工 タップ加工(穴開けのみ) ナット溶接・カシメ
工程数 少ない(プレスで一体成形) 多い(別工程でタップ) 多い(溶接・カシメ工程追加)
コスト 低〜中
薄板への適性 高い(有効ねじ山を確保) 低い(ねじ山が少ない) 中(ナット厚分スペース要)
強度 中(板厚・材質に依存) 低い(薄板では不十分な場合あり) 高い
主な用途 軽荷重のねじ締結、位置決め 嵌合穴・ガイド穴 高強度ねじ締結

ポイント:薄板でねじ締結が必要な場合、バーリング加工はコスト・工程数・軽量化の面で優位です。高荷重が求められる箇所には溶接ナットとの使い分けも有効です。

2. 設計者・発注者が知っておくべきポイント

板厚・材質と加工適性

バーリング加工は、板厚や材質によって難易度が大きく変わります。藤井製作所では板厚0.2mm〜5.0mmまでの幅広い素材に対応しており、主な対応材質は以下のとおりです。

  • SPCC(冷間圧延鋼板):延性が高く、バーリング加工に最も適した材料のひとつ。
  • SPHC(熱間圧延鋼板):SPCCに比べて表面スケールがあるが、厚板向けには選択肢となる。
  • アルミニウム:軽量で延性もあるが、材料強度が低いためフランジ高さに注意が必要。
  • 銅・真鍮:延性は高いが、スプリングバックの管理が重要になる。
  • ステンレス(SUS304等):加工硬化が大きく、最も難易度が高い材料のひとつ。後述の注意点を参照。

一般に延性の高い材料ほど、フランジを高く立ち上げやすくなります。一方、ステンレスや高強度鋼では割れリスクが高まるため、設計段階から加工業者への相談をおすすめします。

フランジ高さ(立ち上がり高さ)の目安

バーリングで立ち上げられるフランジには限界高さがあります。限界を超えると、フランジ根元に割れが生じる原因になります。一般的な目安として、フランジ高さは板厚の2〜4倍程度が安全圏とされています。さらにタップを立てる場合は、確保したい有効ねじ山数に応じた高さが必要です。

設計の注意点:フランジ高さを増やしたい場合は、材料の伸び率(El値)の高いものを選ぶか、下穴径を大きめに調整する方法があります。具体的な数値は材質・板厚ごとに異なるため、藤井製作所への事前相談をご活用ください。

加工精度(寸法公差)の考え方

藤井製作所のプレス加工では、標準的な寸法公差として±0.1を確保しています。バーリング加工特有の精度影響因子としては、以下が挙げられます。

  • スプリングバック:材料が弾性回復することでフランジ角度・内径に誤差が生じる場合があります。材質によって補正値が異なります。
  • 材料ロットのばらつき:素材の機械的性質(引張強度・伸び率)がロットで変動すると、フランジ高さや内径に影響します。
  • 金型の摩耗:量産時には定期的なメンテナンスが寸法安定に直結します。

精密な寸法が求められる製品については、試作→寸法確認→量産というステップを踏むことを推奨しています。

SUS304バーリング加工の注意点

ステンレス(SUS304)は耐食性・光沢に優れる反面、プレス加工の難易度が高い材料です。バーリング加工においても以下の点に注意が必要です。

  • 加工硬化:バーリング時にフランジ部が硬化し、割れが発生しやすくなります。
  • マルテンサイト化:衝撃・熱により部分的に硬化が進み、帯磁や脆化のリスクが生じます。
  • 工具への負担:硬い素材のため、パンチ・ダイの刃こぼれが他素材よりも起こりやすく、定期的なメンテナンスが必要です。

藤井製作所では、パンチのインパクト瞬間をスロー・制動するサーボプレス制御により、素材や金型へのダメージを最小化した精密なSUS304加工を実現しています。

3. バーリング加工で発生しやすい不良と対策

バーリング加工では、下穴径・材料・金型・加工条件が絡み合って不良が発生します。主な不良現象とその原因・対策を整理します。

不良現象 主な原因 対策 予防策
割れ(クラック) 下穴径が小さすぎる、材料の延性不足、送り速度が速い 下穴径を大きめに設定、加工速度を落とす 材質の伸び率を事前確認。SUSは特に注意
フランジのバリ パンチ・ダイの刃こぼれ、クリアランス不適切 工具交換、クリアランス再設定 定期的な金型メンテナンス
だれ(穴縁の変形) パンチRが大きすぎる、押さえ圧不足 パンチ形状の見直し、押さえ力の増加 設計段階でパンチRを材料に合わせて選定
寸法ばらつき スプリングバック、材料ロットのばらつき 金型補正、素材ロット管理の徹底 試加工で寸法確認後、量産へ移行

藤井製作所では加工前に素材の確認を徹底し、不良発生を未然に防ぐ工程管理を行っています。トラブルが発生した場合も、長年のプレス加工ノウハウをもとに迅速に原因を特定・対応いたします。

4. バーリング加工の主な用途と採用事例

バーリング加工は、ねじ締結・位置決め・パイプ接続など多様な目的で各産業に採用されています。

業界 製品・部品例 バーリング加工の役割
自動車 ボディパネル、ブラケット、センサー取付部品 締結穴の強度確保・配線通し穴
産業用装置 装置フレーム、カバー、配電盤筐体 ねじ止め箇所の薄板補強
建築・建材 金属サッシ部品、ダクト継手 パイプ接続部のフランジ形成
ミシン・精密機器 フレーム部品、軸受け周辺部品 高精度位置決め穴・軸受け保持部
医療機器 鋼製小物、装置筐体 清掃しやすいフランジ形状・精密穴

藤井製作所では自動車車体部品・産業用装置部品・ミシン部品・建築部品など、多岐にわたる分野の受託加工実績があります。

バーリング後の追加工との組み合わせ

バーリング加工は、後続の追加工と組み合わせることで部品の付加価値をさらに高められます。藤井製作所の一貫生産体制では、以下のような工程をまとめてお任せいただけます。

  • バーリング → タップ加工:フランジにねじ山を切り、ねじ締結に対応。
  • バーリング → 熱処理(浸炭・焼入れ等):硬度を高め、締結部の耐久性を向上。
  • バーリング → メッキ(クロム・ニッケル等):耐食性・外観品質を付加。
  • バーリング → 機械加工(マシニング):高精度な穴仕上げ・形状仕上げ。

5. よくあるご質問(FAQ)

Q. バーリング加工とタップ穴加工、どちらを選べばよいですか?
A. 板厚が薄く、コストを抑えたい場合はバーリング加工が有利です。一方、高荷重の締結や高強度が必要な場合はナット溶接やカシメとの組み合わせをご検討ください。材質・板厚・荷重条件をお知らせいただければ、最適な工法をご提案します。
Q. ステンレス(SUS304)のバーリング加工は可能ですか?
A. 対応可能です。藤井製作所ではサーボプレスの速度制御により、SUS304特有の加工硬化・割れリスクを抑えた精密加工を行っています。まずはご相談ください。
Q. バーリング加工で割れが発生してしまいます。原因は何ですか?
A. 主な原因として、下穴径が小さすぎる、材料の延性不足、加工速度が速すぎるなどが考えられます。現在の加工条件と材質をお知らせいただければ、改善策をご提案いたします。
Q. 1個〜小ロットからの受託は可能ですか?
A. はい。藤井製作所は「得意ロット:1個から1,000個」を掲げており、試作から量産まで柔軟に対応しています。
Q. 図面がなくても相談・見積りはできますか?
A. 可能です。材質・寸法・用途などをお知らせいただくだけで、設計・VA・VE提案も含めてご対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、バーリング加工の基礎知識から設計ポイント・不良対策・用途まで幅広くご紹介しました。

  • バーリング加工は、薄板でも有効なねじ山・フランジを設けられるプレス加工技術。
  • 板厚0.2〜5.0mm、SPCC・SUS304・アルミ・銅等の多様な材質に対応。
  • SUSや高強度鋼は加工難易度が高く、設備・ノウハウが重要になる。
  • 不良の多くは設計段階の対策と精密な金型管理で防ぐことができる。
  • バーリング後のタップ・メッキ・機械加工まで一貫して対応可能。

藤井製作所では、金型の設計・製作からプレス加工・機械加工・表面処理・アッセンブリまでを一貫して承っています。バーリング加工をはじめとする精密プレス加工のご相談は、お気軽にお問い合わせください。